馬の体の名前を図解で解説|乗馬初心者でもわかる馬体名称ガイド

知る

こんにちは、「こと。」です。

乗馬歴15年で、現在も乗馬クラブでインストラクターをしております。

まこくん
まこくん

馬の体の名称って覚えておいた方がいいのかな?

こと。
こと。

覚えると、馬の体のケアや運動で役立つよ!

まこくん
まこくん

ほんと?でも覚えられるかな…

こと。
こと。

大丈夫!この記事で図解付きで順番に紹介するね!

「馬の体の名称って、覚えるのが難しそう…」
そんな風に感じたことはありませんか?

実は、馬の体は 「頭」「頚(くび)」「胴」「肢」 の4つに分けて考えると、覚えやすいです。
さらに、部位の名前を知っておくと、乗馬やお世話の場面で会話がスムーズになったり、今後の勉強にも役立ちます。

この記事で役に立つこと

・乗馬やお世話の場面で、インストラクターや仲間との会話がスムーズになる

・馬の名称を覚えることで、今後の勉強(運動の仕組みや騎乗技術の学習)にも役立つ

頭/顔

①耳:馬の気持ちが表れやすい部分。向きで注意や感情がわかります。

②まえがみ:額を覆う毛。人間でいう前髪にあたります。

③額(ひたい):目の上から耳の間にかけての平らな部分。

④眼窩(がんか):目の周りのくぼみ。※眼う(がんう)とも呼ばれます。

⑤鼻梁(びりょう):目と鼻をつなぐ、顔の真ん中の筋。

⑥鼻端(びたん):鼻の先端部分。

⑦鼻孔(びこう):空気の出入り口。大きく動くことで呼吸や感情も表れます。(馬は口呼吸できないので注意)

⑧上唇(じょうしん):とても器用に動かし、物をつかむことができます。

⑨下唇(かしん):上唇とセットでエサを食べるときに重要。

⑩咽喉(いんこう):喉の部分。さく癖のある馬には「さく癖バンド」を付ける場所です。

⑪顎(がく):下顎の骨の部分。

⑫頬(ほほ):顎の上にある大きな筋肉のふくらみ。

⑬耳下(じか):耳と頬の間にある部分。

⑭項(うなじ):耳のすぐ後ろ、頭で一番高い部分。人間でいう“うなじ”とは場所が異なります。

まこくん
まこくん

耳って、馬の気持ちが表れやすいんだね!

こと。
こと。

そうそう、もっと知りたい人は『下の記事』を読んでみてね。

頚(くび)

鬣(たてがみ):首の上に生えている毛。
乗馬クラブでは、ブラッシングするほかに「抜いて長さや量を整える」こともあります。毛自体は痛くありませんが、根元を強く引っ張ると馬は不快に感じます。

頚(くび):頭と体をつなぐ首の部分。

頸溝(けいこう):首の下側にあるくぼみ。頸静脈が通っていて、主に静脈注射はここで行われます。

鬣ってハサミでカットするだけじゃなくて、抜いて整えることもあるんだね。

こと。
こと。

そうそう。毛自体に神経はないから痛くないけど、根元には神経が通っているから

強く引っ張ると馬は不快に感じちゃうよ。

胴(どう)

馬の胴は、『背』『腰』『尻』『胸』『腹』の5つから構成されています。

背〜腰

き甲(きこう):首と背中の間で、肩の一番高い部分。鞍を置く位置の目安にもなります。

背(せ)
き甲から腰までの胴体上部。吊り橋のような構造で、体重の負担がかかりやすい部分です。背中の筋肉がしっかりしている馬は、体を支える力が強く、乗りやすくケガもしにくいです。

腰(こし)
背の後ろ端からお尻にかけての部分。筋肉が強いと後肢の力をよく使えて、乗ったときの安定性にもつながります。

腰角(ようかく):腰の後ろ端の骨が突出して見える部分で、後肢の動きや体型の目安になります。

尻(しり):馬の後ろの大きな部分。

尾根(びこん):尾の付け根の背中側の部分。馬のバランスや尾の動きに関係します。

尾(お):馬の後ろに伸びる毛の束。虫よけや気持ちの表現に使われます。

股(また)
図の裏側にあたる、後ろ脚の付け根あたり。大きな血管が通っています。特に夏場は熱がこもりやすいので、冷たい水でアイシングしてあげると良い部分です。

殿端(でんたん):尻の後ろ端、尾のすぐ下あたり。

殿(でん):胴体の最後部にあたる部分で、尾の手前あたりを指します。

胸〜腹

肩(かた):前肢の上方にある馬体の前方の角ばった部分。

肩端(けんたん):肩の一番外側。

胸前(むなまえ):前肢の間の前方。

肘(ひじ):前肢の曲がる部分。見た目では分かりにくいけれど、実はここが肘!

帯径(おびみち):腹帯を締める位置。鞍を安定させる大切な部分。

肋(ろく):胴の側面。骨の浮き具合で体の状態を判断する目安になる。肋骨がはっきり見えていれば痩せている体型とされる。

ひばら:肋の後ろから腹につながる部分。皮膚が薄く、安易に触ると嫌がる馬が多い。

まこくん
まこくん

肩とか肘とか、覚えきれるかな…?

こと。
こと。

触って覚えるとわかりやすいよ。肩は前肢の上、肘は曲がる部分。

ひばらや腹は皮膚が薄く敏感だから、触るときは馬の様子をよく見ながら優しく触るのがおすすめだよ!

肢(あし)

①上腕:肩の下にある、腕の上部にあたる部分。

②前膝:前脚の関節部分で、人間の手首の部分

前腕:肘から前膝までの部分。

夜目:肢の内側にある角質の小さな突起。これは親指が退化したものと考えられています。

⑤管:前膝から球節までの細長い部分。

⑥球節:管の下端にある関節で、衝撃を和らげるクッションの役割を持ちます。

⑦繋(つなぎ):球節と蹄の間の部分。傾斜の角度が、馬の動きや蹄への負担に影響します。

⑧蹄冠(ていかん):蹄の上端、脚との境目にあたる部分。蹄の成長が始まる大切な場所です。

⑨蹄:地面に接する最下部で硬い部分。馬の体重を支え、走るときの衝撃を受け止めます。

後膝(あとひざ):後脚の上部にある関節。人間でいう「膝」にあたり、蹴り出す動作や跳躍に大きく関わります。

脛(すね):後膝から飛節までの細長い部分。骨がまっすぐ伸びており、走行時の推進力を支えます。

飛端(ひたん):飛節の後ろにある突き出た部分。アキレス腱の付着部にあたり、強い蹴り出しの源となります。

⑬飛節(ひせつ):後脚の大きな関節で、人間のかかとに相当。馬の推進力やジャンプに欠かせない重要な関節です。

まこくん
まこくん

えっ!? 馬の“手首”って前膝なの!?😲 だいぶ上にあるんだね!

こと。
こと。

そうそう。しかも馬って、人間でいう“中指一本”で立ってるような構造なんだ。

まとめ

今回は、馬の体の名称を図解で順番に紹介しました。頭、頚、胴、肢と大きく分けることで、初心者でも覚えやすくなっています。

馬の体を正しく理解することは、安全に接することや馬との信頼関係を築く第一歩になります。まずは図を見ながら少しずつ触れて覚えていきましょう。特に敏感な部位に触れるときは、馬の様子をよく観察しながら行うことが大切です。

まこくん
まこくん

馬の体の名称って覚えるの大変そうだけど、

頭・頚・胴・肢の順で見ていくと分かりやすいね!

こと。
こと。

順番に触ったり見たりすると、馬のケアや運動で使う時にも役立つし、

今後の勉強もスムーズになるよ!

参考文献

・新馬の医学書 オールカラー完全版/日本中央競馬会競走馬総合研究所

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